昨夜、娘を通して
息子の本音を垣間見た気がした・・・。
親父が息子にとって良かれと思ってきた戦略は、
実は息子にとっての負荷になっていた・・・。
戦術的には何ら間違っていなかった(学力も着実に?伸びてきているようだった・・・)。
まあ、ここで戦略論、戦術論を論じても何の意味もなさない・・・。
今の時流で言えば、
親父の「コーチング」のミス・・・。この一言。
いたずらに、半ば強引に進学校への受験を決意させ(本音は決意していなかったが・・・)、
親父の言う通りの戦術を実行しておけば、合格できるんだ、と信じて疑わなかった・・・
(悪いクセである・・・自分の思いだけを一方的に相手に押し付ける・・・50歳を前にしても改まっていない・・・)。
息子には息子なりの言い分があった分けで、その言い分を親父はすべて息子の
逃げと決め付けていた・・・。
15歳であれば、もう立派な個が芽生えているはずである・・・。
息子は親父のマリオネットじゃない・・・。そんな当たり前の事に気づいてやれなかった・・・。
「アホかワシは・・・!?」
しかし、そんな親父の気持ちをストレートに息子に投げかけられるほど
素直じゃない・・・。
ここは、また一つ課長(娘)に仲介をお願いすることにした。
娘に昨夜からの事務作業を依頼し(無理やり作った)、それを<オヤジ塾>の教室でやってもらい、その場に息子を来させるという作戦である。
親父はその場に何気にいて、ネットをやったり、読書をしたりして、間接的に(娘を通して)英語のプリントをやらせた。
英語であれば弟からの質問にも、姉も答えられると判断したからである・・・。
案の定、「
あんたぁ、listen だけ覚えてもダメなんよ。listen to として覚えとかんにゃ」
「聞いたことが・・・ある」
「人に何かをする言うときには、人、物の順番よ。SVOO の文型知らんのん?」
「・・・」
(知る分けがない・・・教えられてないから・・・)
そんなこんなのやり取りを親父は聞き入る分けでもなく、平静を装っていた・・・。
娘が席を外した時を見はからって・・・、
「お前、塾続けたいんか・・・?」と問うた。
「・・・」
「ワシはお前にどうしてもM田高校へ行けとは言っとらんのんで、ただ、初めから行ける高校を目指して受験勉強しよったら、その高校へも行けんようになるんで・・・。」
「・・・」
「まだ、受験勉強は始まったばっかりじゃ、内申もまだ3年の二学期が残っとるじゃないか?
M田高校をあきらめるのは、まだ早いんじゃないかのうと、ワシは思うとるんじゃが・・・」
「・・・」
「お前が頑張って、それでもM田高校は無理じゃ言うんなら、それでもええんじゃ・・・でも、
試合をやる前からあきらめてどうするんない・・・!」
親父の渾身の一言である。
「あきらめたらそこで試合終了なんじゃ・・・のう・・・?」
By:スラムダンク:井上雄彦著
「・・・」例によって息子は終始無言を通した・・・。
「今日は月曜日じゃが、塾するけん、
その気があるならメシが終わって来いや・・・」
「・・・分・・・・か・・・・っ・・・・た・・・」
それから何事もなかったかのように夕食をし、風呂に入って午後9時になった。
息子は少し照れ臭そうに教室に入ってきた・・・。
「今日は、お前のリクエストに答えちゃるけん、したいもの言えや・・・」
「別に・・・ない」
「ほいじゃ、ワシが今からプリント作るけん、それやるか・・・?」
「・・・う・ん」
午後10時30分まで、英語、社会、理科とやった。
まあ、これで手打ちとなったかどうかは分からないが、
Phot:by 「仁義なき戦い」飯干晃一著、深作欣二監督
まずは<オヤジ塾>復活の兆しとしておこうか・・・。
娘が二人の仲を取り持つかのように、ホワイトボードに落書きをしてくれた・・・。
似てないけど、「
スラムダンクの桜木花道」である・・・。
どんな難敵にも屈することなく立ち向かい、しかもそれを苦とせず、何気に練習と言う努力を積み重ねる花道を、
今の息子に例えてエールを送ってくれたのかも知れない・・・
娘よ・・・、
「あ・り・が・と・う」